脊髄損傷

脊髄損傷

脊髄は、背骨を構成する脊椎の中にある長い神経の束であり、脳と接続しています。
脳で出された指令を全身に伝えたり、逆に身体の各部位からの感覚を脳に伝える機能があり、交通事故やスポーツ、高所からの落下などが原因で脊髄に衝撃が加わり、脊髄を損傷してしまうことでその機能が果たせなくなり「麻痺」という状態になります。

これまで脊髄損傷に対する有効な治療法は無く、脊髄損傷の後遺症により車椅子生活や寝たきり生活を余儀なくされていましたが、近年、細胞研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されていて後遺症に悩み、リハビリも困難であった方々にとって新しい治療法として認知されてきています。

脊髄損傷による後遺症

障害の程度や回復の見込みは患者様によって大きく異なりますが、神経の通り道が遮断されている完全麻痺と一部の機能が残存している不全麻痺では、完全損傷の方が予後は悪く、排尿や排便のコントロールが全くできなくなります。
また、損傷を受けて6ヶ月以上経過している慢性期の脊髄損傷についまた、損傷を受けて6ヶ月以上経過している慢性期の脊髄損傷については、損傷から時間が経ってしまうと一般的には神経の再生がより難しくなると言われています。

完全麻痺 不全麻痺
損傷の程度 ・脊髄の機能は完全に失われている ・脊髄の機能は完全に失われている
症状 ・身体を動かすことは全くできない
・感覚もない
・ある程度体を動かすことはできる
・重度であれば感覚のみ残っている

※再生医療パンフレットの脊髄損傷より

幹細胞治療が脊髄損傷に期待できる効果

治療法

培養した患者様の幹細胞を脊髄腔内へ直接投与します。
治療も簡単な注射で数分での処置となり、大きな痛みも伴いません。

治療法 幹細胞治療 保存療法
(薬物療法・手術療法など)
メリット ・脳の血流が改善し、神経再生・保護等の機能の回復が期待できる
・炎症がある部位をし鎮静化し、不調や痛みの原因の緩和
・体への負担が少ない
・費用があまりかからない
デメリット ・費用が高い
・合併症や副作用が発生するリスクを否定できない
・根本的な治療効果はなく、症状の安定させる効果しか期待できない

※再生医療パンフレットの脊髄損傷より

適応基準・除外基準

選択基準

  • 年齢:12歳~80歳
  • 再生医療等を行う医師の診断により、保存治療等の他の治療法では改善が見込めず、本治療の実施が適当であると判断された方を本治療の対象とします。
  • 80歳以上でも、再生医療等を行う医師が選択基準に満たすと判断した場合は、治療を行います。

除外基準

以下に該当する者は本治療の対象外とする。

  • 脂肪採取時に使用する麻酔薬または特定細胞加工物の製造工程で使用する物質に対する過敏症、アレルギー症状を起こした経験がある
  • 脊髄空洞症を発症している
  • 感染症(HBs抗原、HCV抗原・抗体、HIV抗原・抗体、HTLV-1 抗原・抗体、梅毒)が陽性

  • その他、治療を受ける方の健康状態、身体的条件を勘案し、本治療を受ける医師が治療の提供の可否を判断します。